巨人の坂本勇人(写真提供・日刊スポーツ)
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 巨人坂本勇人は周囲の声に耳を傾けることができれば選手人生が伸びるはずだ。

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 選手としては年齢に応じたプレースタイルへの変更。グラウンド外では雑音に惑わされずコンディションを整えるための環境作り。周囲からの適切なアドバイスを参考にできれば、3000本安打という大記録も夢のままで終わらない感じもする。

 3月28日のヤクルトとの開幕戦(東京ドーム)、坂本は「6番・三塁」でスタメンに名前を連ねた。しかしその後は23歳の中山礼都と併用となり出場機会は減少している。

「阿部慎之助監督は共にプレーした坂本の経験や勝負強さを知っており、欠かせない選手と考えている。可能な限り起用したいだろうが、打撃状態が想像以上に上がってこないので頭が痛いはず」(巨人関係者)

 ゴールデン・グラブ賞を受賞した三塁の守備は一級品だが打撃の衰えは明白。昨季は109試合出場、打率.238、7本塁打、34打点に終わった。今春オープン戦も打率.115とイマイチだったが、守備力と存在感を買われての開幕スタメン起用。開幕戦後には「(守備重視の)自衛隊だと思っていますよ」と指揮官もコメントしたほどだった。

「中山がブレークすれば良いのだが、そうもいかない。特に打撃に関しては経験不足を露呈する場面も多く、『ここ一番では何かやってくれるのでは……』と坂本に期待したくなる気持ちもわかる。しばらくは二人の併用で行くしかないだろうが、現時点ではチームのウィークポイントかもしれない」(巨人関係者)

 中山はオープン戦で打率.304と結果を出したため打撃面での期待もされた。しかし試合では想定外の姿が目立ち、4月8日のDeNA戦(横浜)後には、「7番打ってる人(中山)はちょっと、やっぱ状況判断して欲しいよね」と阿部監督が名指しで批判したほど。そうなると坂本に頼りたい思いも出てきてしまう。

「(坂本は)多くの人が指摘するように、若手の頃と同様に重心移動を使うスイングがマイナスに働いている。年齢と共に筋力も落ち、スイングの強度が下がっている。バットに当てる技術は変わらないので、動きを小さくしてミートに特化した打ち方に変えるのも1つの方法」(巨人OB)

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