東大の安田講堂
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 高校へのアンケートなどをもとにした大学合格者ランキングで、難関大の合格率が高い「実力校」を紹介する。算出したトップ50を見てみると、今年も西高東低の傾向があるようだ。

【注目ランキング】難関国立大の合格率トップ50

 全国3276校を対象に、東京大、京都大、北海道大、東北大、名古屋大、大阪大、九州大の旧7帝大に一橋大、東京科学大(東京工業大と東京医科歯科大が統合)、神戸大を合わせた難関国立10大学の各合格者数を合計し、高校ごとに卒業生数で割って「合格率」を算出した。合格者数には、総合型・学校推薦型選抜などの合格者、浪人なども含んでいる。

 難関国立大は合格者の重複が基本的になく、また合格者数ではなく合格率でのランキングのため、卒業生数が多い、いわゆるマンモス校が有利になるということもない。まさに高校の大学受験パワーランキングともいえる。

 今年の1位は筑波大附駒場(東京)の84.0%。2位を10ポイント以上引き離す、圧倒的な数字をたたき出した。さらに特筆すべきは東大合格率で、なんと75.0%。筑駒は例年、東大合格率ではトップの数字を記録するが、昨年は55.2%。今年の数字は単純計算で学年の4人中3人が東大に合格するというとんでもない割合だ。

 2位は北野(大阪)で73.7%。8年連続で京大合格者数1位に輝いており、今年は17人増の107人が合格した。

 昨年まで3年連続で合格率トップだった灘(兵庫)は72・4%で3位。次いで甲陽学院(兵庫)、大阪星光学院がランクインし、昨年に続いて上位5校のうち4校を関西圏の高校が占めた。教育ジャーナリストの神戸悟さんはこう分析する。

「今年の筑駒は別格として、やはり全体的に〝西高東低〟と言えます。近年、学生の地元志向は根強く、関西圏には京都大、大阪大、神戸大と、総合大学が三つあることが関西圏の高校に有利に働きました」

 地理的な要因の影響が顕著なのが、昨年の43位から大きく躍進した7位の金沢泉丘(石川)。東大合格者23人に加えて、前述の関西圏の3大学に合わせて116人が合格し、北海道大、東北大にはそれぞれ21人、17人の合格者を出した。受験する大学の選択肢の豊富さが表れた格好だ。

 日比谷(東京)、横浜翠嵐(神奈川)の首都圏公立校の伸びも興味深い。

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