広島のみでなくNPB各球団は野手の“優良助っ人”獲得に苦労している。昨年11月には元広島監督・野村謙二郎氏のYouTube「ノムケンCHANNEL」に広島・駐米スカウトを務めるエリック・シュールストロム、スコット・マクレーン、ブラッド・エルドレッドの3氏が出演。「メジャーの待遇の良さやメジャーリーグの登録枠の拡大」などを優良助っ人との契約が難しくなった理由として語った。

「実際に広島でプレーした3氏の話だけに参考にはなるが、最近では広島が外国人をハズしてきた回数は多い。編成担当者の眼力の低さ、フロントと現場のコミュニケーション不足、起用方法の一貫性のなさなど、多くの理由があると考えられる。原因を究明して1つずつ解決する必要があると思います」(スポーツ新聞野球担当デスク)

 ここ数シーズンを振り返ると“当たり”と呼べる野手助っ人は少ないが、昨年は特に苦戦が目立った。マット・レイノルズがわずか2試合の出場でノーヒットのまま右肩手術のために6月に退団。もう一人のジェイク・シャイナーも左手首故障のために9月で退団、こちらも12試合出場で打率.133、1本塁打と散々な成績だった。

 また、一昨年在籍したマット・デビッドソンは117試合の出場で打率.210、19本塁打、44打点という成績を残したが同年限りで退団。昨季は韓国リーグ(KBO)NCダイノスでプレーして131試合の出場で打率.306、46本塁打、119打点と抜群の成績を残した。リーグのレベルは日本が上とはいえ、デビッドソンをもう1年我慢して残しておけば、日本でのブレイクもあったかもしれない。何かチグハグな印象を受けるのが現在の広島の助っ人補強の特徴だ。

「結果論になるが、怪我や故障は予想できないがメディカルチェックに疑問が残る部分もある。デビッドソンに関しても長打を打てる選手が少ない広島だけに、もう1年は猶予を与えても良かったとは思う」(スポーツ新聞野球担当デスク)

 広島が上位進出を果たしているシーズンには外国人の活躍が欠かせない。前出のエルドレッド氏は2012年途中に広島に加入してから約6年半在籍、2016年からのリーグ3連覇に大貢献したのは記憶に新しい。

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過去には多くの優良助っ人が在籍