今シーズンの陣容も大半が固まりつつあるプロ野球。先発ローテーション、リリーフ陣、そして各ポジションのメンバーを予想する報道もここから増えてくる時期だが、レギュラーが入れ替わるケースも毎年必ず出てくる。今回はそんな中から、実績は申し分ないものの、今年の成績次第で控えに回る危険性のある選手を探ってみたいと思う。
【写真】今季“定位置”を失う危険性ある「スター選手5人」がこちら(全5枚)
セ・リーグで昨年優勝を果たした巨人でまず真っ先に名前が挙がるのが坂本勇人だ。2019年にはショートとしてNPB史上2人目となる40本塁打を放つなど長く活躍してきたが、それ以降は故障もあって徐々に成績が低下。昨年は完全にサードへとコンバートとなり、ゴールデングラブ賞を受賞するなど守備では力を見せたが、気になるのが打撃面での衰えだ。2022年も87安打、5本塁打ながら打率は.286と悪くなかったが、昨年は94安打、7本塁打とレギュラー獲得後ではワースト2位となる数字に終わっただけでなく、打率も.238と大きく成績を落としているのだ。
さらに逆風となるのがフリーエージェント(FA)で甲斐拓也が加入したことである。甲斐がスタメンで出場する機会が増えると、正捕手で打撃の良い大城卓三をファーストで起用し、主砲の岡本和真をサードに回すという布陣も考えられる。それを防ぐためには何よりも打撃の調子を取り戻すしかないだろう。オフには少年野球時代のチームメイトである田中将大も加入しただけに、何とか生え抜きのリーダーとして意地を見せてもらいたいところだ。
昨シーズンは終盤に急失速して4位に終わった広島では菊池涼介も正念場を迎えている。2014年には二塁手としてシーズン記録となる535補殺、2020年にはシーズン失策0を達成し、10年連続でゴールデングラブ賞にも輝いた。しかしここ数年はコンディション不良でスタメンを外れる試合も増えており、ゴールデングラブ賞も2年連続で逃す結果となっている。守備以上に気になるのは打撃面だ。昨年も9本塁打は放っているものの出塁率は3割を下回っており、チャンスメーカーとしての役割を十分に果たすことはできなかった。