阪神・青柳晃洋(31歳)と中日・小笠原慎之介(27歳)。ポスティングシステムを利用してのメジャー挑戦を目指す2人だが、長期契約での移籍は厳しいと見られている。契約の内容次第では米国で早期に立場を失ってしまう可能性もあるだけに、どのような条件でメジャーに渡るのか気になるところだ。
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今オフにポスティングされた選手で最も注目を集めているのはロッテ・佐々木朗希だが、青柳と小笠原は違った意味で話題となっている。まずは2人に興味を示す球団がどれだけ存在するかだ。
「2人とも好投手だが飛び抜けた存在ではない。青柳は下手投げの変則、小笠原は左腕という長所はあるが、絶対的な球を持っているわけでもない。契約する球団は見つかるだろうが、与えられるチャンスは多くないはず」(スポーツマネージメント会社関係者)
青柳は2022年に最多勝(13勝)、最優秀防御率(2.05)、最高勝率(.765)で投手三冠に輝くなど阪神のエース格に成長したが、ここ2年は振るわず。昨季は8勝をマークするも、防御率は4.57。今季も12試合に先発して2勝3敗、防御率3.69と不本意な成績に終わったが、「夢への挑戦」を球団が後押しして、このオフにポスティングでのMLB挑戦が許可された。
「変則投手なのでショートリリーフとしての需要はあるでしょう。しかし米国では同じようなタイプの投手は珍しくなくなっているので、投球の精度を上げることが鍵になる。マイナー契約が濃厚とされるが単年2~3億円程度の条件なら獲得球団はあるのではないか」(MLBアジア地区担当スカウト)
一方、2015年夏の甲子園優勝投手である小笠原はプロ入り後は苦戦も目立ったが、7年目の2022年に自身初の2ケタ勝利となる10勝、防御率2.76、142奪三振(リーグ2位)とキャリアハイの成績をマーク。しかし、青柳同様にここ2年は思ったような成績を収められず。今季も打線の援護がなかったとはいえ、5勝11敗と負け越し、防御率は3.12と“投高打低”が顕著だったシーズンで絶対的な安定感はなかった。