「海外、国内のFA権を持っていなくてもポスティングで米国を経由すれば国内球団と自由に交渉・契約ができる。つまり最短1年で実質のFA権獲得と同様の立場になれる。現行ルールの盲点になってしまっている」(スポーツマネージメント会社関係者)

 このようなルートで移籍した選手についてはネットを中心に『有原式FA』と呼ばれているが、FA選手と同様の扱いだけに資金力が豊富なチームに有利になってしまっているのも批判が集まる理由の1つだ。

「(ソフトバンクは)以前から資金が豊富な球団として知られている。現行ルール上では問題ない移籍とはいえ、選手と球団の両方のイメージは悪くなる。青柳や小笠原のような今後に続く選手がそういった『色眼鏡』で見られるのも良くない。NPBが中心となってしっかりとしたルールを整備が必要な時期に来ているのかもしれない」(スポーツ新聞野球担当デスク)

 1994年オフに任意引退選手としてドジャースと契約した野茂英雄氏の時代から、日米間の移籍については常に問題がつきまとう。現在は『有原式FA』という新たなケースが出てきた。今後もポスティングでのメジャー移籍が増えると予想され、早急な対応をファンを中心に望む声は少なくない。

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