もし、親が「こんなレポートは嘘だ。お前は嘘をついている」と言ったら、「負けないぞモード」を強化します。「じゃあ、一緒に精神科の病院に行って、お医者さんの話を並んで聞いてほしい」とか「私のクラスがどんなに治安が悪いか、他の保護者の人に聞いてほしい」と伝えます。

 とにかく、椿さんの状態を正確に伝えることが大切なのです。「私が精神の病にかかってたらどうする?」というような抽象的な言い方ではなくてね。

 さて、椿さん。校長先生に手紙を書いたのに、まったく変化がない場合も想定しておきましょう。

 そうなる可能性は、悲しいことですが、あります。大人達が「とにかく現状を維持しよう」「波風をなるべく立てないようにしよう」と思ってしまう結果です。

 一週間たっても、何も変化がなければ、また、校長先生に新たなレポートを送ります。(ですから、手紙を送った次の一週間も、記録は取っておきます)

 そして、「こんなことが先週、ありました。お願いです。助けて下さい、校長先生」と書きます。

 それでも、何の変化もなければーー椿さんの親が理解してくれていたら、親に「校長先生は、何もしてくれない。どうしたらいいと思う?」と相談して下さい。

 親が「我慢しなさい」とか「あんたの考えすぎよ」なんて言うのなら、椿さんが住んでいる町の教育委員会にレポートを送ります。学校名、クラス名を書いて匿名でね。「校長先生にお願いしたのですが、何もしてくれません。お願いです。助けて下さい」と手紙を添えます。

 それで様子を見てみてください。

 椿さん。どうですか?

「負けないぞモード」は大変ですが、何も悪くない椿さんが体調不良でこれ以上苦しまないために、今、踏ん張るための活動です。

 大変そうに、苦しそうに見えますが、何もしないでずっとクラスのストレスにさらされて、体調不良に苦しむよりずっと希望があると思います。

 希望を作るのは意志です。受け身では希望は残念ながら生まれないのです。

 椿さんの「負けないぞモード」を心から応援します。

暮らしとモノ班 for promotion
2024年この本が読みたい!「本屋大賞」「芥川賞」「直木賞」