「半身でコミットすれば、仕事が自分のすべてにはなりません。仕事や家事や趣味や、さまざまな場所に居場所ができれば、たとえ仕事で失敗しても『仕事は仕事』と思えます。仕事と同様に就活も全身全霊を求められがちですが、友達とおしゃべりしたり、趣味の時間をつくったり、就活だけにならないことが大事だと思います」

 自分の価値基準を大切に、しっくりくる働き方を探ってきた三宅さん。受験や就活など競争の中で人生の選択をしなければならないことについては、どう考えているのだろうか。

「ある程度競争に勝たないと自分のやりたいことができなかったり、自分の好きなものが買えなかったりするシステムなので、その辺のバランスが難しいなとは思います。でも、やりたいことをやるために競争に勝つのと、競争に勝ちたいから勝つのとでは全く違います。そういう意味で、勝つことだけではない、自分の価値観が大事になってくるのかなと思います」

迷ったら嫌なことを避ける

 受験や就活に際して「やりたいことがわからない」「何から始めたらいいかわからない」と立ち往生している場合は、どう取り組めばいいのだろうか。

「好きなことがない人でも、嫌なことはあるのでは。例えば私だったら『飲み会続きの仕事だけはいや』とか。人によってはお金が少ないと無理とか、睡眠時間が取れないのはいやとか。仕事そのものではなく、仕事をしている人の生活に目を向けて考えてみるのもいいのかなと思います。日本は同調圧力が強いし、若いうちは親や先生の言うことを聞かなきゃいけないと思いがちです。でも、自分のことを一番考えてくれるのは自分。あまり周囲の言うことを気にせず、自分を大事にしたり守ったりすることが大切だと思います」

(文・上野裕子)

アエラムック「就職力で選ぶ大学2025」(朝日新聞出版)より

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