球場で熱心に応援する中日ファン

中日の観客数は全球団で4番目

 パ・リーグで最下位に低迷している西武は、今季のホームゲームの観客動員数が1試合平均2万1382人と12球団で最も少ない。7月16日のオリックス戦では今季の同球場最少の1万560人だった。

 西武の球団関係者は、「これだけ負けているのに、必死に応援してくれるお客さんには感謝の思いしかありません」と感謝の思いを口にする。

 一方で、低迷期が続いているにも関わらず、観客動員数が好調の球団がある。中日だ。今年のホームゲームの観客動員数は1試合平均3万2804人。これは阪神巨人ソフトバンクについで4番目に多い。阪神、巨人は優勝争いを繰り広げ、ソフトバンクは4年ぶりのリーグ奪回を飾ったが、中日は8月から借金2ケタとなりCS争いから脱落している。立浪和義監督が成績不振の成績を取り、今季限りでの辞任を発表。明るいニュースが少ないが、バンテリンドームには連日大観衆が詰めかけている。

 9月10日からの最下位・ヤクルト3連戦は平日にもかかわらず、いずれも3万2000人超え。今月22日の広島戦で3万6310人、23日の同戦も3万6320人と2日連続で今季の最多入場者数を更新した。落合博満元監督が指揮をとった08年以来16年ぶりの観客動員230万人突破が、確実な状況となっている。

 なぜ、中日は観客動員が好調なのか。イベント関係者はこう分析する。

「球団の営業努力が見逃せません。試合前後のイベント、ショータイムを充実させ、エンターテインメント性を強めることで野球以外に楽しめる要素が増えています。選手を『推し活』するファンが増えているのも特徴です。高橋宏斗、岡林勇希、細川成也、石川昂弥と若手が次々に台頭し、柳裕也大野雄大、高橋周平、大島洋平など根強い人気を誇る生え抜きの戦士たちがいる。あと中日に限った話ではないですが、コロナが明けて娯楽の1つとして球場に行く敷居が下がったことも大きいと思います。ビジターのファンも多く詰めかけています。東海圏は中日の1球団だけなので、球団数が多い首都圏より遠出で来るお客さんが集中する。地の利もあるのではないでしょうか」

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立浪監督時代に起きた観客の変化とは