新井監督(左端)ら、沈んだ雰囲気の広島ベンチ
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 悪夢の9月になってしまった。広島が9月26日のヤクルト戦に4-6で敗れ、今季最大14あった貯金が消え、5月7日以来の借金生活に突入した。9月は5勝19敗と大失速。9月1日には首位に立っていたが、4位に転落してしまった。(記録は9月28日終了時)

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「首位攻防戦となった9月10日からの巨人3連戦で同一カード3連敗を喫し、力尽きたように感じました。巨人、阪神と比べて戦力面で劣り、目一杯の状態で戦ってきた。投手陣に頼っていましたが、投手が打ち込まれると打線が低調なので失速するのは必然と言えます。クリーンアップを担う助っ人外国人の補強、末包昇大に続く長距離砲の育成が来季に向けてのテーマになってくる」(スポーツ紙デスク)

 今季の広島は投手陣が生命線だった。大瀬良大地、九里亜蓮、森下暢仁、床田寛樹、アドゥワ誠、玉村昇悟の強力先発陣が試合を作り、ローゲームで逃げ切る。ただ、長丁場のペナントレースは当然疲れが出る。その時に打線の援護が求められたが、チーム本塁打は12球団最少の51本と迫力不足だった。2ケタ本塁打をマークした選手は11本の坂倉将吾のみ。機動力やベンチワークで補いたいところだが、機能しているとは言えなかった。今月は24試合で58得点と1試合の平均得点は2.42。貧打が続くと投手陣にも重圧が掛かる。1点を防ごうと慎重になり、大量失点を喫するケースが目立った。

 9月初旬までは優勝争いの熱気にあふれていたスタンドも、9月の大失速に本拠地・マツダでは空席が目立つようになった。3万人前後入っていた観衆は、25日からのヤクルト戦では2日連続2万5000人に減少。広島の民放テレビ関係者は「相手が最下位のヤクルトということも影響していますが、これだけ負けるとお客さんが球場に向かなくなるのは仕方ない。優勝への期待値が大きかっただけに、落胆が大きかったでしょう」と漏らす。

 広島ファンは熱狂的な応援で知られるが、負けが込めばスタンドから客足が遠のくのは決して不思議ではない。

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中日の入場者数が多い理由は