だが、試合後も一部のファンが南海ナインに危害を加える恐れがあったことから、甲子園署に出動を要請する騒ぎに発展した。

 いずれにしても、コーチも含めて計4人が退場になるのは、尋常ではない。2軍戦といえども、何がきっかけでどうなるか本当にわからない。

 2005年に創設された楽天の“球団初乱闘”として話題になったのが、同年6月29日のイースタン、インボイス(西武2軍)戦だ。

 0対3とリードされた楽天は9回1死三塁のピンチで、ホッジスの2球目がバントの構えをした野田浩輔の腹部を直撃。バットを引かなかったことから、判定はストライクになったが、次の3球目も背中に当たったため、怒った野田はホッジスに飛びかかった。ホッジスも「バカヤロー!」と叫んで応戦。たちまち両軍ナインがマウンド付近に集まり、乱闘になった。

 約5分の中断を経て、当事者2人が退場となり、警告試合が宣告されたが、再開直後、今度はホッジスをリリーフした谷中真二が初球を松坂健太にぶつけてしまい、3人目の退場者に。「わざとじゃないけど、(警告後)あそこで内角を攻められないと」の気持ちが裏目に出たようだ。

 乱闘の原因について、野田は「ホッジスに当てられるのは3度目。あれはない」と過去の死球が伏線になっていたことを明かした。一方、ホッジスはノーコメントを貫いたが、3点リードにもかかわらず、野田がバントの構えをしたことに対してカチンと来たとみられる。ヤクルト時代の02年に最多勝(17勝)を記録した193センチの長身右腕も、NPB最終年は2勝12敗、防御率6.44に終わり、投手不足の楽天の救世主になれなかったばかりでなく、2軍で退場処分の汚点を残す結果となった。

 2軍戦でサイン盗み疑惑が問題になったのが、2021年7月10日の中日阪神だ。

 事件が起きたのは、4対3とリードした中日が、7回2死満塁のピンチに、4番手・三ツ間卓也が井上広大を中飛に打ち取り、スリーアウトになった直後だった。

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