今季はオイシックス新潟とくふうハヤテ静岡の2チームが参戦して話題を呼んでいる2軍戦だが、時には1軍戦顔負けの大乱闘やサイン盗み疑惑などが報じられることもある。過去に本当に起きた揉め事の数々を振り返ってみよう。
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警察沙汰に発展するほどの大乱闘が繰り広げられたのが、1983年9月18日のウエスタン、阪神対南海だ。
事件が起きたのは、延長10回の南海の攻撃中。1死一、二塁で中出謙二が中前安打を放った直後だった。
二塁走者・吉村元富が三塁を回り、本塁にスライディングすると、捕手・木戸克彦が一瞬早くタッチアウトにしたが、強烈なスライディングに怒った木戸が上から殴りかかり、吉村も負けずに応戦。エキサイトした両軍ナインも「この野郎!」などと叫びながら集まってきた。
乱闘の輪の中で顔面を殴られ、激高した藤田学が前田耕司を三塁ベンチ前まで追いかけて報復のパンチをお見舞い。阪神の選手が数人がかりで押さえ込まれ、袋叩きにあうなど、グラウンドのあちこちで乱闘が繰り広げられ、ファン数人もネットを飛び越えて乱入する大荒れ状態になった。
球場係員や審判団、両チームの首脳陣が割って入り、ようやく騒ぎを収拾したが、試合は約7分中断。甲子園開催試合とあって、ふだんの5倍にあたる1105人の観客も唖然とするばかりだった。
実は騒動が起きる直前に、浜岡浩幸の一塁けん制球をめぐり、南海・桜井輝秀、元田昌義両コーチがボークをアピールし、木村孝一塁審を小突いて退場になったばかり。そんな興奮も覚めやらぬ状態で、問題の本塁クロスプレーが起きたとあって、一気にヒートアップしてしまったようだ。
木戸、吉村の2人が退場となり、試合再開。吉村は「2度目にタッチされたときに、木戸が殴ってきたから、こっちも行ったんだ」と証言。林忠良球審も「吉村のスライディングはラフプレーではない。そのまま終わっていれば、何もなしでいくつもりだったが、乱闘になったので、どちらも悪いとして退場にした」と説明した。