今年4月に国内FA権を取得した阪神・大山悠輔
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 プロ野球は終盤戦を迎え目の離せない戦いが続くが、同時にオフの移籍市場の動向も気になる時期になってきた。今季中に多くの“実力者”たちがフリーエージェント(FA)の権利を取得しており、その動き次第では来季以降の勢力図を大きく変える可能性もある。(文中の成績は9月3日終了時点)

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「今後のチームの結果次第では(監督交代など)体制が大幅に変わる球団があると予想されるので、それに伴いFA市場が活発化する可能性はある」(在京球団編成担当者)

 このオフの注目はなんと言っても阪神勢の国内FA取得組だろう。開幕前から複数の主力たちが権利を取得する見込みだったことから、その去就は早くから注目を集めてきた。

 最多勝2度の右腕・青柳晃洋は二軍暮らしが続き条件を満たすのが難しくなったが、チームの主軸打者として欠かせない存在となった大山悠輔、昨シーズン高い守備力でチームのリーグ制覇に貢献した捕手の坂本誠志郎。さらにユーティリティ性があり、“チームプレイヤー”としての評価が高い糸原健斗、勝負強い打撃で代打の切り札となっている原口文仁が国内FA権を取得した。

 だが、アレンパ(=連覇)を目指したチームは、開幕から波に乗れそうで乗れない戦いが続いている。昨季は就任1年目にしてチームを38年ぶりの日本一に導いた岡田彰布監督の采配にも疑問の声があがり始め、それがFA権を保有する選手たちの去就に影響するのではという声もある。

「岡田監督は優勝したことによるチーム内の緩んだ雰囲気を感じ取っており、主力選手でも厳しく接した。ですが、その反動もあって選手からは不満の声も聞かれるようになっているという。岡田監督が来季も続投ということになればFA選手が移籍する可能性が高まるのではと囁かれている」(在京テレビ局スポーツ担当)

 だが、ここにきて阪神はリーグ優勝はおろか4位のDeNAにも迫られ、クライマックスシリーズ(CS)出場も危うい状況。元々、岡田監督は優勝しても勇退するという声もあったが、結果が伴わないことで続投はさらに不透明となってきている。加えて、FA権を取得した4人はチームと同じく成績が振るわない選手も目立ち、FA市場での苦戦も予想される。全員残留に傾くのではとも言われ始めている。

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