投手から打者に転向して活躍したヤクルトの雄平

「本人の気持ちも大事」

 左腕から最速150キロを超える快速球が武器だった雄平は、東北高からドラフト1位でヤクルトに入団。将来を嘱望されたが、制球難で試行錯誤して高卒7年目の09年の秋季キャンプから野手に転向。通算成績を見ると、投手で144試合登板し、18勝19敗1セーブ17ホールド、防御率4.96だったのに対し、野手では969試合に出場し、打率.291、66本塁打、386打点、41盗塁をマークしている。

 ヤクルトを取材していたスポーツ紙記者は振り返る。

「雄平は野手転向のタイミングが遅かったですが、高卒1年目で5勝を挙げ、07年には救援で52試合登板するなど投手として可能性を抱かせた時期があった。最後はサイドスローに挑戦するなど投手としてのこだわりは強かったと思います。西も周りは野手転向を勧めるかもしれませんが、大事なのは本人の気持ちです。投手としてまだやれるという思いがあるなら、打者として野球人生を送ることをなかなか受け入れられないでしょう」

 「将来のエース」と期待が大きい西は22年に14試合登板で6勝3敗、防御率2.68をマーク。昨年は17試合登板で5勝2敗、防御率3.86。150キロ近い直球にフォーク、スライダー、カーブを交えた投球スタイルだが制球力に課題を残す。

 今季は4試合登板にとどまり、0勝1敗、防御率2.70。7月11日に登録抹消され、ファームで調整が続く。ウエスタン・リーグでは16試合登板で4勝6敗1セーブ、防御率3.43。投球内容は決して悪くはないが、層の厚い1軍の投手陣に割って入るインパクトを残せていない。

 投手としても、打者としても大きな可能性がある西。22歳とまだ若いが、時間はあっという間に過ぎていく。野手転向を含め、最も輝く生き方をつかみとってほしい。

(今川秀悟)

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