投手として伸び悩む阪神の右腕、西純矢
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 連覇を狙って戦い続ける阪神だが、常勝軍団を築く上で大きな課題となるのが野手の新戦力の台頭だろう。

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 投手は才木浩人、村上頌樹、大竹耕太郎、西勇輝らの先発陣に、及川雅貴、門別啓人が台頭してきて、12球団屈指の陣容といえる。一方、打撃陣は物足りなさがある。高卒3年目の前川右京が一本立ちしようとしているが、右のスラッガーとして期待される小野寺暖、野口恭佑、井上広大は1軍定着の水準に至っていない。

 球団は近年FA補強に参戦しておらず、生え抜き中心のチーム作りを進めているだけに、数年先を見据えると、佐藤輝明、森下翔太、前川と共に主軸を担える若手に出てきてほしいところだ。

 その有力候補として、在阪テレビ局関係者は、意外な選手の名前を挙げる。

「投手の西純矢は絶対に野手に転向した方がいいと思うんです。打撃センスがズバ抜けています。チーム事情を考えても野手のほうがチャンスは多いと思うんですよ。投手は先発ローテに入ることがなかなか難しい。2年連続最多勝に輝いた青柳晃洋が漏れているぐらいですから。でも野手は選手層が厚いとは言えない。俊足巧打タイプの選手は多いですが、右のスラッガーは希少価値があります。西純矢の投手としての能力が決して低いわけではないですが、伸び悩んでいる現状を考えると野手転向を検討しても良いと思います。大化けできる素材ですよ」

打者としてU-18W杯で本塁打王

 西は創志学園の時から名が知れた存在だった。2年春からエースになり、夏に甲子園出場。初戦の創成館戦で16奪三振完封勝利を飾っている。打者としても高校通算25本塁打を記録。高3のU-18ワールドカップではチーム最多の4試合に登板して防御率1.35をマークするとともに、打者として本塁打王と「二刀流」で輝いた。

 2019年のドラフトでは、同学年の佐々木朗希(ロッテ)、奥川恭伸(ヤクルト)、現在チームメートの及川と共に「高校ビッグ4」と評され、1位指名で阪神に入団した。

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プロ初完投の試合でホームラン