2019年にメジャーに移籍した菊池は最初にプレーしたマリナーズでは3年間で15勝24敗、防御率4.97と際立った成績を収めることはできなかった。だが、貴重な先発左腕としてのポテンシャルも評価され、2021年のオフにブルージェイズと3年総額3600万ドル(約52億4000万円)の契約を勝ち取った。
渡米5年目となる昨季は11勝6敗、防御率3.86とメジャーでのベストのシーズンを過ごしている。今季残りの試合で好調を維持すれば、米国で引く手あまたになりそうな予感が漂う。
「アストロズに移籍したのは菊池のこれからにとって非常に大きな意味を持つかもしれない。これまでもゲリット・コール(現ヤンキース)や、チャーリー・モートン(現ブレーブス)のようにアストロズ移籍後に成績をぐっと伸ばした投手が目立つ。サイ・ヤング賞投手のジャスティン・バーランダーもタイガースに在籍した晩年は少し成績を落としていたが、アストロズ移籍でよみがえった。アストロズは情報分析チームが優れているという話もある。FAとなる選手は後半戦に残した数字が次の契約に影響するケースも多いので菊池は“持っている”とも言えるでしょう」(メジャーリーグに詳しいスポーツメディア関係者)
だが一方で、今シーズン歴史的な低迷に苦しむ古巣の「西武復帰」を望む声もある。長男の名前をレオ君と名付け、メジャー移籍後も西武の試合結果をチェックすることはルーティーンになっているという。古巣のピンチを救うべく戻ってきて欲しいというファンは多いが……。
「ネット上を中心に(このオフの)西武復帰を望む声も聞くが実現性は低いでしょう。高校時代からメジャー志向が強く、周囲に気を遣う形でNPBの球団でプロ入りを選択した経緯もある。向上心も強いので、最高峰の舞台でまだまだ勝負したいはず」(スポーツマネージメント会社関係者)
「全天候型野球施設『king of the Hill』を、今年11月に故郷・岩手県(花巻市)にオープンする。これは最先端の野球を子供たちに伝えるための施設。プレーしながら可能な限り現在の米国の野球を勉強し続けたいという思いもあるはず」(在米スポーツライター)