巨人では加入1年目に44試合の登板で21ホールド、防御率1.93をマーク。2021年以降は昨季まで毎シーズン55試合以上に登板して、昨年こそ防御率4.19と数字を落としたが、今季はここまで23試合に登板して13ホールド、防御率2.60を記録している。

「投球時のテイクバックが小さく腕が体に隠れることで打者はリリースが見えにくい。腕の位置も低いので左打者は体の後ろ、右打者はかなり遠くからボールが来るように感じる。これだけ打ちにくい投手もなかなかいない」(在京球団スコアラー)

 先述のように今年の4月に国内FA権を取得し、かつ人的補補償がないCランクと見られていることから今季の活躍次第ではオフの移籍市場では“人気”になるとも予想されているが……。

「優勝から遠ざかっている巨人にとって絶対に必要な存在。何度となく修羅場をくぐってきた経験に勝るものはない。勝利への執念、野球へ取り組む姿勢も素晴らしい。若手がもう一皮剥けるためにも高梨という手本がいて欲しい」(巨人OB )

 高梨は国内FA権取得に対して「僕、ジャイアンツが大好きなので。ジャイアンツが良い評価をしてくれたら、それが一番うれしいですね」と“巨人愛”を語っている。だが、仮に今シーズン好成績を残した場合、残留するかはチームの提示する条件次第になるだろう。他チームからの需要もあるだけに、今後が注目される投手の1人でもある。

「FA権を行使したら欲しがる球団はいくつもあるだろう。変則投手の需要も高いMLB球団からも高評価だと聞く。巨人は早い段階から下交渉をして十分な条件で契約延長を目指すのではないでしょうか」(在京球団スコアラー)

 また、マウンドでのパフォーマンスだけではなくファンからも人気のある選手。2021年の春季キャンプでは沖縄・那覇の宿舎でカレーを作り、原辰徳監督や同僚たちにふるまったことが話題となった。自身のYoutubeチャンネル『たかなしきっちん』を開設するなど、料理が上手いことからファンには“シェフ”のニックネームで親しまれている。

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今季これからの投球に注目