西川遥輝(楽天)、大田泰示(DeNA)、秋吉亮(独立リーグ・千葉スカイセイラーズ)。
2年前のオフに“ノンテンダー”での自由契約となり話題となった3人だが、日本ハムから新天地に移籍後は徐々に存在感が薄くなっている感もある。
「ノンテンダーとすることを選択しました。選手にとって制約のない状態で、海外を含めた移籍先を選択できることが重要と考えた結果です」(日本ハム・稲葉篤紀GM)
2021年11月16日、日本ハムは当時在籍していた西川、大田、秋吉の3選手に翌年の契約を提示せず、野球協約第66条の保留手続きを行わないことを発表した。海外、国内FA権を持つ各選手が、自由に球団を選択できるようするための措置という説明だった。
「前年には投手の村田透がノンテンダー後に同球団と再契約した例もあったが、契約条件は大きく下げられた。現実はクビ(自由契約)にしてからの低条件での再契約。選手側からすると足元を見られたと感じてもしょうがない」(在京テレビ局スポーツ担当)
村田は2020年のオフにノンテンダーという名目で自由契約となった。その後に野球協約が定める減額制限(1億円以下は25%)を超えた2400万円減の1600万円プラス出来高で再契約を果たした。
「FA移籍すれば人的、金銭補償を受け取れる。また3人は実績ある選手なので交換トレードもできたはず。ノンテンダーにしたのは驚いたが、そこまでしても放出したかったのかもしれない。いわば戦力外通告をソフトにした形。村田の場合は経費節減の面もあり状況は異なる」(在京球団編成担当)
当時FA権を行使した場合、西川はAランク、大田と秋吉はBランク選手と見られていた。獲得球団はそれなりの補償が必要で契約がまとまりにくい可能性もある。交換トレードでの移籍も同様でノンテンダーという形をとったようだ。
その後、3者揃って日本ハムを去ったが、これまでは古巣を“見返す”ほどの活躍は見せられていない。
楽天・西川は今季、2月のキャンプから二軍で調整を続け、4月11日に一軍初合流を果たしたが2年目の飛躍はあるのだろうか。
「30歳と年齢的にも脂が乗っている時期で、技術的にも高いものがある。二軍では8割程度でプレーしても他選手と比較にならない力を出せるが、一軍は別物で心技体の全てが必要。気分的に波の多い選手なので、その部分が心配」(楽天担当記者)