精神科医の藤野智哉さん
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 会社での転職や異動、はたまた育休復帰や引越しなど、春は何かと環境に変化が生じる時期だ。「早く慣れて、仕事を覚えなきゃ」「仕事も育児もちゃんと両立しないと」「まわりに迷惑かけないように」……とがんばっている人も多いだろう。だが、新しい環境にすぐ適応しようとして無理をしすぎると、心身ともに疲れてしまう。そうなる前にうまくやるコツはあるだろうか。テレビやSNSで人気の精神科医・藤野智哉さんが提示する「たった一つのこと」とは? <藤野智哉氏『「そのままの自分」で生きてみる』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)から一部を抜粋、再編集しています>

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「変わらなきゃ」「このままじゃダメ」「できるようにならないと」というように、「変わりたい気持ち」を話される人は多いです。

「ミスして職場の人に迷惑をかけてしまった。早くきちんと仕事を覚えて、できるようにならないと」
「またイライラして子どもに怒ってしまった。こんなママじゃダメ。子どものためにもしっかりしなきゃ」
「ちゃんと今の職場に慣れないと。もっとがんばろう」

 このように話して、「だから変わりたい」と言ったりしがちです。

 けれども、「変わりたい」ときって、実は、たいていよくない状況にいて、「つらい」「しんどい」と感じるときだったりします。

 たとえば仕事でミスして落ち込んでるときだったり、つい誰かと比べて「自分はできてない……」と凹んでるときだったり、人間関係でうまくいかないことがあって悩んでいるときだったりするのです。

 あるいは、友人から「そんなことでいいの?」と批判されたり、まわりの人の行動を見て、「私もちゃんとしないと」なんて思ったりするときだったりします。

 新しい環境で生活するようになって、慣れよう、しっかりやろうとあせっているときなどもそうかもしれませんね。

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自分をすりへらさない