見えている世界は“絶対”じゃない

 あなたに宗教の勧誘やセールスをしてきた子たちが、あなたが誠意をもって断ったのにもかかわらず勧誘に乗らないあなたと距離を置こうとするのであれば、彼/彼女たちは「友人と自分の好みが違うことに耐えられない人」なのかもしれません。そういう人は究極的には「自分と他者が違うということに耐えられない人」でもある可能性が高く、世界がいかようにも可変で、自分に今見えている世界が絶対ではないということを意識していない気がします。あくまでも私はですが、そういう人とは一対一の友人としてコミュニケーションをとるのは難しいと感じるので、せいぜいグループで花見するくらいの距離感以上を求めません。

 当然、自分についてもチェックをしなければならないとは思います。私だってもしかしたら何かのジャンルでは自分の好きなものや嫌いなものについて押しつけがましいことを言っているかもしれません。まあ友人ですから、「絶対面白いからマジでこれ読んで」とか「いやアニメ嫌いかもしれないけどこれだけは面白いから観て」くらいの押しつけがましさは許してほしいですが、そこに金銭的な負担が生じたり、読まないのであれば友人をやめる、というような圧力が混在したりすると、関係の存続は難しいのだと思います。

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