新卒向け就活・就職サイト「あさがくナビ」が4月に開催する大型のイベント「キャリアデザインフォーラム」に参加する人気企業3社に、会社の魅力や採用にかける思い、学生へのメッセージを聞くインタビューの2社目。
「あさがくナビ」調査の就職人気企業ランキングで2位に入った講談社に話を聞いた。「出版不況」といわれた時代を電子書籍をはじめとする新規事業の展開で乗り越え、2021年度には創業以来の最高益を達成。欲しい人材は「自分と人との違いをおもしろがれる」人という。(あさがくナビ編集部・福井洋平)
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――講談社は前回ランキングで3位、今回は2位と人気が上がってきています。他の出版社も上位にランクインしていますね。
人事部 岩崎志子(ゆきこ)さん(以下同) 出版業界そのものの人気が上がっているのは、コロナ禍による巣ごもり需要でエンターテインメントコンテンツに接する時間が世界的に増え、ライフスタイルの中に定着したからだと感じます。
エンタメ以外の趣味を楽しんでいた人たちも、スマホで漫画を読んだり、動画配信サービスで漫画や小説が原作のアニメやドラマを見たりすることが生活に定着したように思います。接触機会の増加を入り口に、コンテンツをつくっている会社に学生が関心を寄せるようになったのではないでしょうか。
――講談社は2021年度に、創業以来の最高益を計上しました。
まさかこの時代に最高益が出るとは……。出版不況と呼ばれた時代もあったので、正直驚いています。ただ、大変な時代のときに継続して取り組んできたことが、いまにつながった、と思います。
――最高益の要因はなんでしょうか。
電子書籍の売り上げの伸びが大きいと思います。講談社は業界の先陣をきって電子書籍の強化に取り組んだ会社で、現在は『進撃の巨人』や『東京卍リベンジャーズ』などの大ヒット漫画、東野圭吾先生や西尾維新先生といった人気作家の文芸作品などを軸に、アニメやドラマ・映画へのIP(知的財産)展開、さらにインディーゲームクリエイターの方と組んでオリジナルゲームをリリースするなど、新しいコンテンツ制作にも事業領域を拡大しています。またIPの海外展開にも積極的に取り組むなど、かつての出版のイメージから脱却して、世界をターゲットにした「総合エンタメ企業」へと変化しつつあります。2020年度にはデジタル・版権分野中心の「事業収入」が紙媒体の「製品」売り上げを初めて上回りました。