自己肯定感が下がりがちな現代
むしろ私を“すくいあげて”くれるものは、恋愛よりも、爪です(笑)。私、スカルプチュアで爪をすごく長くしているんです。元々は爪が横広で指も短いのがコンプレックスだったんですけど、高校生のときにスカルプチュアが出てきて、「私のすべての悩みを解決してくれる!」と思って。これだけ長いとたまに折れるんですけど、そうするとものすごいストレスで、人前になんか出られないっていう気分になります。
鎌田:番組に寄せられた読者からのコメントに、「お化粧すると自己肯定感が高まります」という声がありました。「経済面でも精神面でも無理のない程度の努力は自己肯定感につながります」という内容なんですけど、めっちゃ分かるなと。
鈴木:分かりますね。やる気ない顔で眉毛だけ描いて、ダッサい服を着て歩いているのと、自分史上かなりうまくいった化粧できれいに髪をセットして歩いているのと、そもそも起こることがちがいますよね。飲み屋のお兄さんに何かサービスしてもらえたり。
正しい正しくないは別にして、美しい者が少し得をする世の中っていうのは本当だと思います。でもそういうルッキズムうんぬんの前に、美しくなることで自分自身の調子がよくなると思うんですよ。いい顔をして、風を切って歩くようになる。
お化粧って、最初は社会に押し付けられたものだったとしても、その後は女性の中で人生を彩る楽しみや豊かさに変わっていきます。私、学生のころ一番お金使ってたのって、化粧品だと思います(笑)。当時流行っていたランコムのマスカラとかジューシーチューブ(※リップグロス)を免税店で買って。
SNSがある現代社会では、あらゆる面で自分より優れたものを見つけるのが簡単です。昔は村で一番だったらこの世で一番って思えたかもしれないけど、今やインスタには加工しまくりの美しい顔と豊かな生活のハイブリッドみたいな人があふれている。だから自己肯定感を高めるために、使えるものはなんでも使えばいいんですよ。
悪趣味ながら、電車で若い女の子のスマホを覗き見すると、韓国コスメのサイトを楽しそうに見ていたりしますよね。お化粧を、気分を高揚させてくれる魔法的なものとして、自分たちの武器にしているなと思います。