大学同士の“連帯”が広がる
しかしA輔さんとB美さんは、学園祭での騒動を受けてもなお、引き下がらない。
大学事務局に対し、「立て看板は学園祭の実行委員会に事前に許可を得て持ち込んだもので、正当性がある」「撤去した立て看板をいつまでも占有しているのはおかしい。泥棒しないで早く返してほしい」と、文書や口頭で何度も抗議した結果、12月下旬にようやく看板が戻ってきた。さらに、東京大学の「東大立て看同好会」の協力により、返還された立て看板は同大駒場キャンパスの一角に設置してもらえることになった。
実は昨年11月以降、早稲田大、慶應大、国際基督教大、青山学院大など、有名大学で続々と立て看同好会が発足する「ちょっとしたブーム」(B美さん)が起きており、大学同士の連帯が広がっている。
「学園祭シーズンの11月、いろいろな大学でパレスチナに連帯する立て看板が設置されたのですが、明大と同じように大学職員によって撤去される事例が相次いだことで、学内規制に反対する動きが生まれました」(B美さん)
最近は、立て看同好会の先駆者である東大が“SDGs17の目標”のオマージュとして打ち出した「すべての大学に立て看板を」というスローガンのもと、大学同士で情報を共有したり、協力してビラを配ったりしているという。
とはいえ、学生が大学相手に立ち向かうのは、容易なことではない。明大は昨年12月、A輔さんとB美さんに対し、「和泉キャンパスでの無許可の張り紙掲示、無許可の立て看板掲出および学外の方を学内へ招き入れてこれらのことに協力を仰いでいたこと」(広報課)について厳重注意処分を下し、反省文の提出や学部長による対面指導を課した。