東大駒場キャンパスに設置してもらった、明治大学立て看同好会の立て看板(中央)。左は東大立て看同好会が制作した、明大での立て看板撤去に抗議を示す看板(写真はすべて明治大学立て看同好会提供)
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 今年2月、「明治大学立て看同好会」なる団体のXへの投稿が話題を呼んだ。<明治大学は、ただ学生が「戦争反対」と言うことすら「そんな政治的なものは学内では許されない」と判断しました>というポストが、瞬く間に5000件近くリツイートされたのだ。明治大学では学生による言論の自由が認められていない、とも取れる内容だが、学内で一体何が起こっているのか。同好会メンバーに経緯を取材し、大学側の“反論”も聞いた。

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「明治大学立て看同好会」は昨年11月、ともに文学部4年生の男子学生・A輔さんと女子学生・B美さん(仮名)の2名により結成された。

 立て看板を立てることが、なぜ同好会活動につながるのか。その経緯は、昨年10月にさかのぼる。

 パレスチナ紛争下の虐殺に反対の声をあげたいと考えていたA輔さんとB美さんは、明治大の和泉キャンパス(杉並区)に設置されていた学生用掲示板に目をつけた。当時、掲示板にはほとんど張り紙がなく余白が目立っており、大学の学生支援事務室に掲載ルールを確認したところ「事前申請は必要ない」という回答があった。

 そこで10月23日、二人は掲示板上部に「明治大学自由張り紙コーナー」と大々的に張り紙をし、その下に、「パレスチナに平和を!」「STOP THE WAR」といったパレスチナ関連のビラのほか、性の多様性を訴えるレインボーフラッグ、フランス人小説家の言葉を引用した「フェミニズムは革命だ」と記した段ボール紙などを計30枚ほど掲示した。

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「勝手な行動は認められない」