学内でパレスチナに連帯するスタンディングをしたA輔さんとB美さん

学生が警察署に連行

 大学側の対応を受け、学内での自由な言論が認められていないと問題意識を抱いた二人は、掲示板がダメなら立て看板で表現活動をしようと、「明治大学立て看同好会」を立ち上げた。そしてキャンパスの不自由さを多くの人に訴えるべく、11月上旬の学園祭でビラを配り、「自由な大学取り戻そう」と記した立て看板を設置することにした。

 だが学園祭当日、またしてもトラブルが勃発する。二人が目を離している間に大学職員によって立て看板が撤去され、さらにはビラ配りに協力していた他大の学生が近隣の高井戸警察署に連行されたのだ。

 広報課はこの日の対応について、以下のとおり回答している。

「立て看板に限らず、通行スペースの妨げになるものなどは大学としては設置を認めておりません」

「明大祭(※学園祭)期間中、明大祭と無関係のビラが大学構内のいたるところに無許可で掲示されていました。また、掲示している人物を目撃したという情報が複数寄せられました。こうした経緯から、安全管理・防犯の面で警察にこの件を相談しました」

 A輔さんによると、協力者の他大生は大学職員から身分証を見せるよう要求されたものの、「学園祭期間中は外部から自由に人が入れるのに、なぜ身分を証明する必要があるのか?」と拒否した結果、通報され、高井戸署で始末書を書くことになったという。

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他大学でも規制に反対する動き