Q:抗がん剤をやめたいが、主治医に言いづらい

A:薬物療法を始めてはみたものの、さまざまな理由でやめたいと思うのはよくあること。しかし「(やめたいと言ったら)主治医が怒ってしまうのでは」「見捨てられたらどうしよう」と心配で、伝えることができず、我慢して治療を続ける患者さんもいます。そんなときは「やめたい」ではなく、「からだがきついので、少し治療をお休みしたい」という言い方をすると、すんなり受け入れてもらえることが多いので、ぜひ試してみてください。患者さんにとっても、「休みたい」のほうが言いやすいのではないでしょうか。(谷さん)

Q:薬物療法(抗がん剤治療)を始めたら、ずっと続けなければなりませんか?

A:同じ薬を使い続けていると、がんに耐性ができてだんだん効かなくなり、その薬を使うことができなくなります。効果が期待できる別の薬を使って治療を続けることはできますが、その薬もやがて耐性ができて、使えなくなります。使える薬には限りがあるので、薬物療法をずっと続けることはできません。また、副作用対策をしても副作用が強く、からだが耐えられないときや、患者さんが治療を希望しなくなったときも、中止します。治療が中止になっても、緩和ケアは続けることができます。(市川医師)

Q:治療法の選択で家族ともめている

A:患者さん自身は抗がん剤治療を続けたいけれど、家族はやめさせたいと思っている――というように、患者さんと家族で意見が合わないことはよくあります。病気を抱えて頑張っている本人の意思はもちろん大事。とはいえ家族は最も身近で患者さんを見ていて、とても心配している存在ですから、家族の言葉にも耳を傾けてほしい。抗がん剤をやめさせたい理由も、「(本人は自覚がないけれど)家族が見ると明らかにからだに無理がきているから」かもしれません。じっくり話し合ってみましょう。(熊谷さん)

(取材・文/熊谷わこ)

※週刊朝日ムック『手術数でわかるいい病院2024』より

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