さかさま不動産に共鳴する人の輪が広がり、現在全国に15の拠点を開設している。「夢を応援するのにふさわしいマナー」を社会で広く共有できていれば、類似のマッチングサービスを有料のビジネスとして始める業者が現れても、「マナー違反」としてはねつけることができる。
全国に広がる共鳴の輪、想像を超える化学反応も
では、どうやって会社の運営を維持しているのか。同社のメンバーは水谷さんを含め7人。取締役の福田ミキさん(41)はこう説明する。
「私たちの取り組みは奉仕作業でもなければ、最初から利益重視でやってきたわけでもありません。実際に行動しながら、これが本当に必要なサービスであれば社会が受け入れてくれるだろう、それが持続するのであればビジネスになるだろう、と模索しながら取り組んできました」
同社はアップサイクル事業や古民家のリノベーション、まちづくりに関するワークショップなどを手がける企画会社。さかさま不動産は同社のプロジェクトの一つという位置づけだが、想像を超える化学反応が起きたという。
「さかさま不動産の考え方や実行力に共鳴して一緒にビジネスをしたい、という人や企業がどんどん現れ、営業に労力を割かなくても次々業務が舞い込むようになりました」(福田さん)
「人を応援する」というテーマはOn-Coの業務全般に通じる。このため、さかさま不動産のサービスを通じて信頼関係を築いた顧客とのつながりはビジネスの分野にも派生する、というわけだ。福田さんは言う。