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  近年、中学受験の学校選びでは共学志向が一段落し、男女別学が見直されています。注目は、ここ数年女子校を中心に盛んに行われている「高大連携」です。グローバル教育が充実している学校にも、相変わらず志願者が集まっています。首都圏模試センターが2023年12月に行った合判模試のデータをもとに、24年度の入試を予測してみました。

【ランキング】昨年12月の模試で女子志望者増加率が1位の学校は?

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 近年は女子校を中心に、教育などを協力して行う「高大連携」が盛んに行われ、中学入試にも影響を及ぼしている。注目は法政大学との連携を拡充した三輪田学園(千代田区)だ。23年12月に実施された首都圏模試センターの第6回合判模試では、女子の志望者数でトップにつけた。23年度入試では志願者を増加させ、さらに24年度も2年連続で増えそうだ。その大きな理由の一つが、冒頭の「高大連携」だ。

 同校は、15年に隣接する法政大学と連携し交流を続けてきたが、22年に新たな協定を締結。これにより法政大学への全学部への推薦枠が30人に拡大することが決まり、人気が上昇した。このほか、同大で行われているデータサイエンスの授業のオンライン聴講や、大学教員による連携講義の受講も可能になった。

 一方で、安田教育研究所代表の安田理さんは、人気の理由についてこう分析する。

「三輪田学園は塩見牧雄校長が進める改革が保護者からの評判がいいです。協定の再締結をきっかけに、より魅力を感じる生徒・保護者が増えましたね」

 三輪田学園はこのほか、23年に東京女子大学、津田塾大学とも高大連携協定を結んでいる。

 そのほか、23年は巣鴨(豊島区)が東京医科大学と、普連土学園(港区)、東京女学館(渋谷区)が東京女子大学と、実践女子学園(渋谷区)が芝浦工業大学となど、高大連携が盛んに行われた。

「高大連携はここ1、2年で急拡大しています。国立大学でも東京海洋大学が、越中島キャンパスと近い中村(江東区)と21年に連携協定を結び、女子校との連携で話題になりました」(安田さん)だ。

大学への推薦枠の拡大が魅力に

 「高大連携」の内容はさまざまだが、受験者や保護者にとって魅力的なのは、連携する大学への推薦枠だ。

 香蘭女学校(品川区)では、提携を結んでいる立教大学の25年度入学の推薦枠が97人から160人に拡大する。1学年の学則定員数にあたり、志願者が増えそうだ。森上教育研究所代表の森上展安さんは、こう話す。

「今や大学入試の主流は総合型選抜に移行しており、特に女子校では、12月までに生徒の8割の進学先が決まる学校も多いです。高大連携によって、入学時に大学まで見通せるようになるのは魅力です」

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男女別学の人気が復活