ここ数年は、男女別学の人気も復活。特に男子校は人気に加えて数が少ないため、受験生にとっては厳しい戦いを強いられそうだ。首都圏模試センターの23年12月の合判模試では、芝(港区)や城北(板橋区)、攻玉社(品川区)、巣鴨(豊島区)、成城(新宿区)、高輪(港区)、本郷(豊島区)など、人気の高い上位男子校の志望者数がおしなべて増えている。
一方で、これまで人気が下降気味だった女子校も、ここ数年で回復した。首都圏模試センター取締役・教育研究所長の北一成さんは、その理由をこう話す。
「コロナをきっかけに、多くの私学、とくに女子校の情報発信が盛んになりましたね。あたたかな校風で面倒見のいい女子校のよさが、見直されたのでしょう。ここ数年は、自主性を伸ばしている元気のよい女子校が人気です。田園調布学園(世田谷区)、湘南白百合学園(神奈川県藤沢市)、昭和女子大学附属(世田谷区)、山脇学園(港区)、実践女子学園(渋谷区)などですが、24年度入試では人気が上がりすぎて敬遠される学校もありそうです」
保護者から期待値が高い学校は
「21世紀型教育」を標ぼうする学校も、志願者を集めそうだ。なかでも注目は、23年12月の合判模試で志望者増加率男子2位、女子5位につけた横浜創英(横浜市)だ。同校に20年に着任した工藤勇一校長は、千代田区立麹町中校長として宿題や定期テストの廃止をして注目された人物。工藤校長による学校改革が奏功し、人気が高まっている。
「12月に首都圏模試センターで行った合判模試の会場の一つが横浜創英だったのですが、模試と並行して行われた同校の学校説明会では保護者会席700席が満員になりました。保護者からの期待値が高く、24年度の注目校と言えます」(北さん)。
グローバル教育が充実している学校も相変わらずの人気。女子校が強いイメージだが、最近ではグローバル教育に本腰を入れる男子校も多い。同模試で男子の志望者増加率9位だった佼成学園(杉並区)のグローバルコースは、欧米だけでなくモンゴルやベトナムなど、海外研修プログラムにアジア諸国も入れている。23年10月には、国際基督教大学(ICU)と高大連携協定を結んだ。