「ICUはリベラルアーツ教育に定評のある、女子校にも人気の大学です。それが高大連携協定の締結先として、男子校の佼成学園を選んだことで話題になりました」(安田さん)
23年に共学化し校名変更したサレジアン国際学園世田谷(世田谷区)も、同模試によると23年度に引き続き志願者を大きく増やしそうだ。インターナショナルクラスを設けて英語教育を充実させている学校だ。先に改革を進めた姉妹校のサレジアン国際学園(北区)もケンブリッジの国際カリキュラムを導入するなど、グローバル教育を手厚くし受験者数を伸ばしている。
「同プログラムは、160カ国以上が採用している国際的な教育プログラムですが、日本の認定校は、インターナショナルスクール以外は工学院大学附属(八王子市)など、まだ数校にとどまっています」(北さん)
例年起こる、志願者が増加した翌年は減少する、またはその逆の“隔年現象”も顕著に表れており、23年度に大きく志願者数を伸ばした芝国際(港区)、日本学園(世田谷区)、青陵(品川区)、山脇学園などは減少が予想される。
24年度入試の注目校は、4月に新しく開校する開智所沢中等教育学校(埼玉県所沢市)だ。国際バカロレア(IB)プログラムを取り入れる予定で、グローバル教育を標ぼうしている。1月入試は開智(さいたま市)と、2月4日は開智日本橋学園(中央区)との併願入試を行う。
また、横浜雙葉(横浜市)が従来2月1日だけだった試験日を翌2日も設定し、チャンスが2回に広がることから、志願者数に影響が出ると考えられる。
安田さんは学校選びについて受験生親子に、「偏差値や志願者数などの数字にとらわれすぎないで、自分の目を信じて、学校を選んでください。お子さんに合ったよい学校とご縁があることを祈っています」と話している。
今までの努力を信じ、自信を持って本番に臨もう。
(取材・文/柿崎明子)