志願者が増えると予想される学校には、どんな特徴があるのだろうか。
それを考えるうえで欠かせないキーワードが、理系人気だ。23年12月の首都圏模試センターの第6回合判模試で男子の志望者増加率がトップになった日本工業大学駒場(目黒区)は、21年に工学科の生徒募集を終了し普通科専一に移行したことが話題を呼んだ。工業大学の付属校として、ものづくりや工学の授業も取り入れている。
「熱心な先生が多く、得意2科入試やプレゼンテーション型など、さまざまなタイプの入試を導入していることも人気の背景にあるようです」(北さん)
都内にある理工系の大学付属校は、同校のほか東京電機大学(小金井市)、東京都市大学等々力(世田谷区)、東京都市大学付属(世田谷区)、芝浦工業大学附属(江東区)、工学院大学附属(八王子市)の6校あり、いずれも人気が高く、志願者数を伸ばしそうな学校もある。
文系のイメージが強い伝統女子校も、昨今では理系教育を充実させている。その一つが、模試での志望者増加率女子トップの普連土学園(港区)だ。
「普連土学園はたたずまいが美しいプロテスタント校ですが、もともと理系に強く、医療系だけではなく理工系にも多くの生徒が進学しています。ロボット競技会の国際大会にも出場しているくらいです」(安田さん)
森上さんは、昨今の“理系重視”の学校選びの背景を次のように解説する。
「産業構造の変化で、仕事の内容が圧倒的に理系に傾いています。現役で仕事をしている保護者は社会の流れを敏感に感じ取っており、選択肢の指標の一つになっているのでしょう」
(取材・文/柿崎明子)