9年間続いた中学受験生数の増加も、今年(2024年度入試)は減少に転じそうです。要因の一つが首都圏の小学6年生の人口減少。さらに、前年度の「難関校に挑戦するチャレンジ志向」から一転、中位校を狙う安全志向が高まっている様子がうかがえます。首都圏模試センターで23年12月に行われた合判模試の結果を中心に、24年度の中学受験を予測してみました。
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首都圏模試センター取締役で教育研究所長の北一成さんは、24年度の受験者が減少すると予測する。
「当社に加えて日能研、四谷大塚、サピックス4社のいずれの23年の模試も、受験する小学6年生の人数が減少傾向にありました。23 年度入試は、首都圏の国私立の受験者数が5万2600人でしたが、24年度は5万2000人程度になるでしょう」
森上教育研究所代表の森上展安さんも、「首都圏では、この3月に卒業予定の6年生が前年から5000人強減ります。近年になく大幅に減少するので、中学受験もその影響は免れないでしょう」と話す。
一方で、受験者が減少に転じそうな要因として、昨今の過熱気味な中学受験を理由にあげたのは、安田教育研究所代表の安田理さんだ。
「ここ数年はネットなどで中学受験の過酷さが取り上げられ、さらにそれに関連する書籍も多く出版されました。それを見て中学受験をすることを躊躇した親子も多かったのでは。またここ数年、物価の値上がりで実質賃金が低下し、経済状況の厳しい家庭が増えています。そういった事情を踏まえて、受験を踏みとどまった家庭もあると見ています」
東京都は24年度から、都内在住者の高校授業料を実質無償化する方針を明らかにした。従来の「世帯年収910万円未満」という条件を撤廃し、すべての世帯が対象になる。24年度の受験に影響を与えることはないと思われるが、これからじわじわと効果を及ぼし、受験者数が増える可能性はありそうだ。