週刊朝日ムック『歴史道vol.31 藤原氏1300年の栄華の謎』

——柄本佑さんが演じる藤原道長とのつながり、そのまわりの男性陣の活躍はどのように感じますか?

吉高 柄本さんとは『知らなくていいコト』(NTV・2020年)で、同じく大石静さんの脚本で共演させていただいたので戦友のような感覚です。いつも励まし合っています。役としては、幼いながらも惹かれあう道長とまひろに注目して欲しいです。お互いの家柄や、色々な事情ですんなりとは行かないんです。道長と逢う時のまひろは「万感の思い」。道長に対しては出世してこの国を変えていく存在になって欲しいという思いと、何もかも捨てて自分と一緒にいて欲しいという思い。そんな心の揺らぎが表現できているといいなと感じます。あの時代、とくに男性は生まれてきた家柄が大事で、そのせいで出世できないという人も多かったと思います。歯がゆい思いをした人も多かったのでしょうね。それに政治的な駆け引きも必要だったと思いますし……女も大変ですけど男もつらいよ、と見ていて思います。

——今後の撮影への意気込みを。

吉高 朝ドラの時、段々とみんなが家族みたいな存在になって、終わっちゃうのが寂しかったんです。今回はそれよりも長いので、終わる時はおかしくなっちゃうかもしれません(笑)。でも安堵のほうが強くなるのかな……。今後こんなに大人数のキャストが出ている作品に出演することがあるのかどうかわからないですし、あんまり先を考えず、なるべく皆さんを巻き込みつつ、撮影に没頭したいです。