帝京大・奥井章仁
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 ラグビーの第60回全国大学選手権は、1月13日に東京・国立競技場で決勝が行われる。3連覇、そして、通算12度目の優勝を目指す帝京大学(関東対抗戦グループ1位)と5大会ぶり14度目の王座を狙う明治大学(同2位)が対戦。関東勢同士の決勝は3大会連続で、両校の対戦は2大会ぶり。この時は帝京が27-14で勝っている。

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 帝京は準決勝第2試合で天理大学(関西Aリーグ2位)に22-12で競り勝った。スコアから見れば、得点、得点差ともに今シーズン最小という接戦だったが、内容は数字以上に帝京の強さを感じさせるものだった。

 序盤のせめぎ合いから抜け出したのは帝京。14分、17分とWTB高本とむ(4年、東福岡)が続けざまにトライを奪った。2本目はハイパントを受けたWTB小村真也(3年、ハミルトンボーイズ)からパスを貰った。ボールを持つ選手がタックルされた場合にサポートする選手だけでなく、パスも貰えるような位置にも選手が走り込んでいるところに、帝京のラグビーの深みが表れていた。ともにFB山口泰輝(4年、長崎北陽台)がコンバージョンキックを決めて14-0。これに対して、天理はFWとバックスの両外国出身選手の突破力を中心に反撃して2トライを返し、14-12の2点差で前半を終えた。

 帝京は後半3分、ラインアウトからフランカー奥井章仁(4年、大阪桐蔭)が縦を突き、SO井上陽公(4年、京都工学院)から小村に繋いでトライ。4分後には山口がPGを決めて22-12と差を開いた。ここから必死の反撃を繰り返す天理に得点を許さなかったのが、帝京の真骨頂。ハーフタイムの指導陣のハッパも効いて激しいタックルで得点を許さない。試合を通じて優位に立っていたスクラムにこだわり、相手ゴール前で何度も組みながら最後反則で逸機したのは残念だったが、5大会前の準決勝で連覇を9で止められた相手に雪辱を果たした。

 一方、対抗戦の慶応大学戦(11月3日)を最後に負傷で戦列を離れていたキャプテンのCTB廣瀬雄也(4年、東福岡)がこの試合から復帰した明治は準決勝第1試合に登場し、京都産業大学(関西Aリーグ1位)に52-30で勝利。明治の攻めの多彩さが光った試合だった。

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明治が準決勝で見せた強さ