前半序盤から相手陣で連続攻撃を仕掛け、FB池戸将太郎(4年、東海大相模)のインゴールへのキックをWTB海老澤琥珀(1年、報徳学園)が押さえて先行。4分後に一度は追いつかれたが、SO伊藤耕太郎(4年、国学院栃木)の内側に浅いパスを放ったかと思えば深いラインに展開するなど攻めの幅が広く、京産に持ち味のタックルをさせなかった。明治はさらに2トライを追加するも、京産に1トライ(ゴール成功)2PGを立て続けに許して、19-18と1点差に迫られる。前半終了直前、明治は敵陣でPKを得ると、廣瀬キャプテンはPGを狙わず、タッチに蹴ってラインアウトを選択。確実に確保した明治はモールを押し込んでトライを奪い、京産を突き放して折り返した。
後半の明治は2分、7分、20分といずれもバックスが3連続トライで45-18とリードを大きく広げる。京産に1トライを返された後の35分には再びバックスでトライを奪った。優位に立ったFWが前に出てバックスがトライを重ねるという、強い時の明治らしい試合運び。最後の最後、京産にラインアウトから意地のトライを許してしまい、52-30となったところでノーサイドとなった。
帝京と明治は昨年11月の対抗戦で対戦し、この時は帝京が明治から6トライを奪って43-11と快勝。13日の決勝も帝京の優位が予想される。ただし、帝京の相馬朋和監督は準決勝後の共同記者会見で決勝について聞かれ、「我々が想像していなかった明治大が決勝に来ると思います」と、前回対戦以降のライバルの成長を認めている。
決勝で勝敗の行方を左右するカギとなるのは、準決勝の2試合同様にやはりスクラムだろう。明治は準決勝で京産にスクラムでプレッシャーをかけられながらも、攻撃時のスクラムでは踏ん張って最後尾の足下にあるボールには影響を及ぼさせず、勢いを殺さずに攻撃できた。逆に天理のように帝京の強さに対抗できずに攻撃の起点で劣勢に立つようだと、流れは一気に帝京に傾く。