元日の夕方に発生し、最大震度7を観測した能登半島地震によって、我が家の防災を見直した人は多いのではないだろうか。ホームセンターなどの防災用品売り場では、売り切れの商品も出ていると報じられている。いざという時のために覚えておきたい防災のコツやアイデアを紹介する(「AERA dot.」2023年3月11日配信の記事を再編集したものです。本文中の年齢等は配信当時)。
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今年も3月11日がやってくる。2月6日にトルコとシリアを襲った巨大地震を目の当たりにして、防災への意識を新たにした人も多いのではないか。
日本では近年、大規模災害に際し、避難所の不足が指摘されている。密集した空間での共同生活は感染症の危険も懸念されるため、国や自治体が推奨するのは「分散避難」。すべての人が避難所に集まるのではなく、自宅での「在宅避難」や親戚・知人宅への「縁故避難」、ホテルなどの宿泊施設への避難、あるいは車中での避難など、避難生活を送る場所を分散させようという考え方だ。
自分が被災したとき、どこで避難生活を送るべきなのか。家族で事前に話し合うには、それぞれの避難拠点のメリットとデメリットを知っておくことが必要だ。『【保存版】新しい防災のきほん事典』(監修 永田宏和・石井美恵子)から、まとめておきたい。
一般に想定される避難拠点は、以下の4つだ。
【在宅避難】
自宅が無事で安全が確認できれば、そのまま自宅で生活をする「在宅避難」がおすすめだ。安心して寝起きできるスペースを確保して、生活をしながら少しずつ片付けていくといい。高齢者や子どもがいたり、ペットを飼っている場合は、可能な限り在宅避難ができるような準備を整えておくことが大切だ。
【避難所】
自宅に住み続けることができなくなった被災者を一時的に受け入れ、保護するのが、市区町村が指定している「指定避難所」。外出先で被災した場合や、住んでいる市町村の避難所が満員になって入れないときなどは、住所に関係なく、地域外の避難所も利用できる。
【親戚・知人の家(縁故避難)】
安全な地域に頼れる親戚や知人がいれば、親戚宅や知人宅を避難先として検討したい。そのためにも、あらかじめハザードマップで自宅の被害程度を予測し、万が一のときには避難させてもらえるかどうか、相談しておきたい。
【ホテルなどの宿泊施設】
新たな避難のスタイルとして注目を集めているのが、ホテルや旅館などの宿泊施設の活用だ。基本的には要配慮者(高齢者や障がい者、妊産婦など、避難所での生活に配慮が必要な人)が優先されるが、個室でプライバシーが確保でき、行政指定の宿泊施設では料金が補助される。もちろん、避難所として指定されていない施設へ自主的に避難する場合は、通常の宿泊料金がかかる。