AERA 2024年1月15日号より

 いま、女性管理職を取り巻く環境はどうなっているのだろうか。AERAでは今から約11年前の12年11月、「女性管理職100人のホンネ」と題した記事を掲載したが、当時と変化はあるのだろうか。最新の実態とホンネを知るために、23年12月、ウェブアンケートを実施した。

AERA 2024年1月15日号より

 その結果、現在の女性管理職は、12年当時と比べて子どもが複数人いる人が多く、第1子の出産年齢も早い。また職場に子育て中の女性管理職が「いる」と回答した人が12年は32.7%だったが、67%まで増加していた。さらに、仕事とプライベートの時間配分では「仕事」の割合が減り、以前よりはプライベートに時間を割く人が増えていることがわかった。

AERA 2024年1月15日号より

「10年ほど前は、責任のある仕事をするのであれば長時間働くべきだ、という価値観が色濃くありました。その頃に比べると時短勤務などの働き方改革やリモートワークの定着により、働きやすくはなっています。でも、女性管理職はもちろん、働く女性たちを取り巻く環境は二極化していることを感じます」

 こう指摘するのは、スキルのある女性に専門性を生かせる仕事を紹介するWaris(東京都千代田区)共同代表の田中美和さんだ。

男性からの上から目線

 13年の創業以来、多くのキャリアに悩む女性たちと向き合ってきたが、

「働き方がフレキシブルで女性が活躍することに追い風が吹いている会社と、まだまだ男性ばかりで本質が変わっていない会社。その差が大きくなっています」(田中さん)

 アンケートでも「管理職になり、自分でいろんなことに手を出せるし、成果も自分次第でやりがいがある」という声が上がる一方で、「管理職を降りたい」「給与が変わらないのに、肉体的にも精神的にもキツイ」「負荷があるためか、管理職希望者が少ない。男性社員もそれを期待していない」といったネガティブな声も目立った。

 都内の広告会社で管理職として働く女性(46)は、

「男性の作ったお作法のある世界に『入れてやってもいいよ』という雰囲気がとても嫌です」

 と嘆く。大学を出て、現在の会社に入って21年目。最初は7人だった社員は現在120人にまで増えた。会社の成長を牽引(けんいん)してきた自負があるのに、管理職になる時は周囲の男性の「上から目線」を感じたという。

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