
「それぞれの部屋で何をしたいか、どういう風に過ごしたいか、を家族にもヒアリングしたんです。出た意見をもとに使いやすいようにモノを集めたら、スムーズに片づけられるようになりました」
モノの置き場所と使う場所が異なると、モノが出しっぱなしになってしまう原因になります。みのりさんは家族の希望も聞いて、モノの置き場所を上手に決められました。
また、高身長の夫と自分では、使いやすい場所が違うということに初めて気づいたと言います。
「夫のモノを、目線や手の届きやすい“ゴールデンゾーン”に合わせて収納したら『すごく使いやすくなった!』と喜んでくれました。自分とは違うなんて、今まで思いもしなかったです」
こうして家族と話し合い、協力し合い、みんなが快適に暮らせる家ができあがりました。
「誰かの片づけ方をそのままマネするだけだと、私の生活には合わなかったと思います。でも、今回は“私たち家族のオリジナルの家”をつくることができました。家に対する子どもの気持ちとか、普段はあまり聞かないことも聞けて本当によかったです」
また、片づけを通して自分とも向き合えたと話してくれました。
「うちは子どもが作った作品が多いので、思い切って子どもの作品を置くスペースを広げたんです。私の価値観が子どもの成長にあるので、狭いスペースに押し込むために手放す作品を選ぶよりも、自分に合っていますね」

ライフスタイルは移りゆくもの。子どもの作品が少なくなってきた頃には、また片づけ方も変わることでしょう。みのりさんは今回の学びをもとに、将来も家族の生活に合わせて片づけられるはず。「自分たちのためにずっと片づけを続けられる方法を見つけられた」と喜んでくれました。
片づけは1回で終わるものではありません。人に合った片づけ方、今の生活に合った片づけ方を多くの人に知っていただき、みのりさんのような笑顔を増やしていきたいと思います。
●西崎彩智(にしざき・さち)/1967年生まれ。お片づけ習慣化コンサルタント、Homeport 代表取締役。片づけ・自分の人生・家族間コミュニケーションを軸に、ママたちが自分らしくご機嫌な毎日を送るための「家庭力アッププロジェクト?」や、子どもたちが片づけを通して”生きる力”を養える「親子deお片づけ」を主宰。NHKカルチャー講師。「片づけを教育に」と学校、塾等で講演・授業を展開中。テレビ、ラジオ出演ほか、メディア掲載多数。

