「オープンから一年ほどで納得するつけ麺が出来あがったというイメージです。その頃からお客さんもだいぶ増えてきて、売上も安定するようになってきました。最終的には豚と鶏が1:1でスープの厚みで勝負できるつけ麺が完成しました」(中村さん)
その後、大宮エリアを代表するつけ麺の名店に成長し、現在では口コミサイト「ラーメンデータベース」で埼玉県のつけ麺1位になっている(23年11月13日現在)。さいたまスーパーアリーナからお客さんが流れてきたり、噂を聞きつけた中村さんの地元の友達が食べに来てくれたりと、話題の店になっていった。
「狼煙」はとにかく地域密着で、埼玉にこだわり続けて現在5店舗を展開している。今は社員の育成に力を入れており、なるべくレシピを数字化しながら指導するようにしている。
「『ひとつの寸胴にみんなで魂込めて』というようなお店が自分の性には合っていると思います。ですが、完全な体育会系ではこれからの世代はついてきません。今後は、次の世代にラーメン屋をやりたいと思う人が増えるように、育成を工夫していきたいと思います。これからは原価だけでなく“手間”を価格に転嫁していい時代かなと思います。ラーメン自体のレベルがアップするよう、うちでもできることをしていきます」(中村さん)
次回の記事では「狼煙 ~NOROSHI~」の店主・中村さんの愛する名店をご紹介する。(ラーメンライター・井手隊長)