今シーズン、驚きの飛躍を遂げた選手は少なくないが、その代表格と言えるのが頓宮裕真(オリックス)である。昨シーズンまでは長打力はありながらも三振が多く、打率も低かったが、今年は開幕から主にファーストを任せられるとヒットを量産。シーズン終盤に怪我で離脱したものの、打率.307で首位打者を獲得したのだ。
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規定打席に到達したのは今年が初めてで、昨年も11本塁打を放ちながらも打率.226であり、シーズン前に頓宮が首位打者を獲ると予想したファンは皆無だっただろう。そして飛躍の大きな要因が捕手から内野手に転向したことではないだろうか。入団してからもなかなかポジションが定まらなかったが、森友哉(西武からFA)の加入によって基本的にはファーストでの起用となったことが、打撃の開花に繋がったように見えた。
そんな頓宮のように、捕手でありながら打撃を生かしてコンバートすればブレイクしそうな選手は他にも存在している。筆頭候補が今年トレードで移籍した郡司裕也(中日→日本ハム)だ。慶応大時代には4年秋に三冠王に輝くなど、リーグ戦通算11本塁打をマーク。捕手としてもリード面に定評があったが、プロではブロッキングやスローイングに難があり、二軍暮らしが続き、シーズン途中で日本ハムにトレードとなっている。
しかし日本ハムに移籍後は打撃を買われて指名打者として出場すると、7月2日のオリックス戦では3安打の猛打賞を記録。続く4日のソフトバンク戦ではプロ初ホームランも放つなど、いきなり持ち味を発揮して見せたのだ。9月以降は少し調子を落としたものの、スタメン出場43試合で4度の猛打賞を記録するなど固め打ちができるのは魅力であり、打撃に関しては間違いなく一軍レベルで通用することを証明した。チーム事情を考えてもドラフト2位で大学ナンバーワン捕手の進藤勇也を獲得できただけに、来シーズンも打撃優先で捕手以外のポジションで積極的に起用してもらいたい。