車道に下りてきたヒグマ=北海道斜里町(2022年5月19日)
この記事の写真をすべて見る

 大量のどんぐりが富士山の2400m付近で発見され、SNSで注目を集めている。「のために運び込まれた」という見方が出ており、過去に大量のドングリを山に運んでいた団体に疑惑がかけられている。活動報告を見ると近年までドングリを運んでいる様子もあるが……。

【都会にはない】クマ出没地域の危機感を表すものはコチラ

*  *  *

〈なんじゃこりゃー 富士山(標高2,400m)で大量のどんぐりを発見。どんぐりが生育しない標高なので、人為的に撒かれたようです。〉

 11月4日、X(旧Twitter)にこんな投稿がなされた。投稿された写真を見ると、確かに驚くほど大量のどんぐりが一面に敷き詰められている。なぜ山の上にどんぐりが置かれるのか。SNSでは、〈クマのためではないか〉という指摘が相次いだ。

 今年はクマの食糧になるドングリが各地で不作だ。不作になると、冬眠前にクマがエサを求めて人里まで下りてくるとされる。全国のクマによる人身被害は10月時点で180人で、すでに過去最多になっている。その背景にあるのがドングリの不作だと見られている。

 実はそんなクマにドングリを届ける取り組みがある。自然環境団体などの取り組みで、全国からドングリを集め、大量のドングリを山の中に持ち込み、クマに食べてもらうことで、クマを人里まで来ないようにさせるのだという。

次のページ
自治体職員も戸惑う「ドングリ」を勧める電話