※株価は2023年10月25日終値。配当利回りは各銘柄の1株当たり配当(会社予想)を株価で割った数値。日経累進高配当株指数構成銘柄(2023年6月30日公表開始、銘柄は年に1回入れ替え)を配当利回りの高い順に掲載。データ提供:楽天証券(AERA 2023年11月13日号より)

 定期的に配当がもらえる(予定の)安心感もあり、根強い人気の高配当株。手堅く長期保有できる日本株のヒントは? 現行NISAの売れ筋と共に紹介。AERA2023年11月13日号より。

【図表】新NISA「増配」「減配なし」の高配当!配当重視の日本株30銘柄の続きはこちら

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新NISAは、コストの低いインデックス投資信託の積み立て」と決めている人は、この記事を読まなくていい。新NISAの「成長投資枠」で日本株も買ってみたいな、でも何を買えばいいのか……という人向けに取材した。もちろん、もともと日本株が好きな人にも有用だ。

「個別株への投資は資産運用の醍醐味」と語るのは、経済アナリストの馬渕磨理子さん。

「新NISAはインデックス投資信託だけでも十分とは思います。効率のいい資産形成という観点だけで考えれば、ドライに投資信託でOK。もうちょっと経済を学びたい人は少額で日本株を買ってみてほしい。主要ネット証券の新NISAは日本株の売買手数料が投資金額にかかわらず無料になり、コスト面も心配ありません」

 身銭を切って個別株を買うと、これまで関心のなかった経済ニュースが気になり始める。

「今は半導体が来てるな、銀行株が好調なら金利は上がるか?など、新たな視点が得られます」

日本マネーが流出

 馬渕さんは、海外に日本マネーが流出し続けることを危惧している。

「政府に対しても伝えているのが、『このままでは数千兆円規模のお金が米国に流れてしまいますよ』ということです。『政府クラウド』(行政システムのクラウド化に使うサービス)も2022年度の公募で採択された4社はグーグル、アマゾン・ウェブ・サービス、マイクロソフト、オラクルで、すべてが米国系企業です」(編集部注:10月、政府クラウドにさくらインターネットが国内勢初参入と報じられている)

 日本が立ち上がる起爆剤となるのが、企業の内部留保と家計の資産だという。後者が新NISAを通じ、米国S&P500や全世界株式の投資信託へ流れる構図は加速しそうだが。

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中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。アエラ増刊「AERA Money」も担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などマネー関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

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