「米国株のほうが過去のパフォーマンスがいいのは明らかです。ただ、今後の日本経済を皆で回していくという意味で、少しでも日本株に投資してほしい。値上がり益を待ちつつ長期保有するなら、安定した業績の高配当株がおすすめです」
現行の一般NISAや新NISAの成長投資枠では日本株が買える。ネット証券の2大巨頭、SBI証券と楽天証券では何が買われているか調査した。それぞれ週間と月間で期間を変えたが、ベスト10のうち8銘柄がかぶっている。日本たばこ産業(JT)、三菱UFJフィナンシャルグループ、オリックス、トヨタ自動車、武田薬品工業、三井住友フィナンシャルグループ、ソフトバンク、日本電信電話(NTT)。8銘柄とも配当利回り高めの王道株だ。
累進配当株に妙味
馬渕さんは、銘柄選びのヒントとして、今年6月30日に算出が開始された「日経累進高配当株指数(愛称:しっかりインカム)」を挙げた。
「10年以上、減配(配当を減らす)せずに配当を維持または増配(配当を増やす)している株のことを累進配当株といいます。この指数は、全上場銘柄の累進配当株から配当利回りが高い順に30銘柄で構成されています。構成銘柄は年に1度、見直されますから、売り上げや利益に赤字がないかをチェックしつつ、新NISAの投資候補として調べてみてはいかがでしょう。時価総額2千億円以上の大型株だと安定感が増します」
ズルい株が入らない
「減配なし」「増配」の銘柄、しかもそれを10年以上続ける企業を上場3915社(23年10月25日現在)から個人が探すのは大変だ。その手間を省いてくれる指数として参考になる。
「累進配当企業の中には、配当を出し惜しみして常に1%台など低い水準に収めているケースがあります。日経累進高配当株指数は、配当利回りが高い順に30銘柄なので、そういったズルい(かもしれない)企業は入ってきません」