日経累進高配当株指数の30銘柄を配当利回りが高い順に並べると、ネット証券のNISAで人気の銘柄とは違う顔ぶれになった。トップは半導体系の専門商社、伯東で配当利回り5.57%だが24年3月期は減益予想、時価総額1166億円(23年10月25日現在、以下同)。2位のLIXILは住宅設備大手で5.43%、時価総額4759億円。業績も安定的だ。3位のナガセは東進ハイスクール、四谷大塚などの受験塾大手。こちらは5.37%で時価総額568億円。売上高、営業利益ともにゆるやかに伸びている。こんな具合で時価総額や業績を調べつつ買っていくスタイルは悪くない。
「配当狙いで長期保有するのもいいですが、最低1年に1回は点検しましょう。株価がかなり上がっていたら持っている株数のうち半分だけ売り、他の銘柄に乗り換えるのもアリです」
リスクを分散するため複数の銘柄を買うことも大事、とアドバイスをくれたのは楽天証券株式・デリバティブ事業部の末政蓮華さん。ただ、日本株は気軽に買えない株価のものもある。「確かに、日本株は100株単位で買う決まりなので、株価が高い企業は1銘柄だけで何百万円もかかってしまいます。ネット証券には1株からバラ売りしてくれるサービスがあります」
楽天証券では「かぶミニ」という名で23年4月にスタートした。SBI証券は「S株」、マネックス証券は「ワン株」、auカブコム証券は「プチ株」。
「たとえばユニクロでおなじみのファーストリテイリングは株価3万4010円(10月25日終値)。本来なら340万1千円が必要ですが、1株──つまり3万4010円から買えます」
1株購入サービスを提供するネット証券の中で、楽天証券の「かぶツミ」を使えば日本株の自動積み立てもできる。auカブコム証券の「プレミアム積立(プチ株)」でも自動積み立てが可能だ。どちらもいったん積み立て設定すれば手間なし。
「『かぶツミ』は毎月3千円から、または1株から自動で積み立てられます。配当も保有株数に応じて受け取れます」
(経済ジャーナリスト・向井翔太、編集部・中島晶子)
※AERA 2023年11月13日号