青森県青森市「ニコニコ通り商店街」/駄菓子問屋街のようにびっしりと玩具が並び、駄菓子が置かれた軒先が魅力的な店をはじめ、訪れれば昭和レトロの連続に大興奮必至!(撮影/山本有)
青森県青森市「ニコニコ通り商店街」。訪れれば昭和レトロの連続に大興奮必至!(撮影/山本有)

 高野さん自身、20代だった1990年代、60~70年代の音楽やファッション、グラフィックが大好きだったという。

「生まれる少し前くらいの時代の文化に、おしゃれさや可愛さといった新しい価値を見つけ出すのが、いまに至るまでずっと好きなんです。だからいまの若い世代が、生まれる少し前の80年代、90年代に惹かれることには共感しますね」

神奈川県横浜市「浜マーケット」/2007年に火事で焼失したが見事に復活。昔の雰囲気そのままに地元客で大いに賑わう。「昭和の日常」を普段着で追体験できる貴重な場所(撮影/山本有)

少しだけノスタルジー

 この「生まれる少し前の時代にグッとくる」は、普遍的なものではないかと高野さんは言う。

Z世代は幼少期の頃に、『色褪せた昭和の名残』と出合っているんです。親の実家に『オサムグッズ』のごみ箱があったり、おばあちゃんの家に黒電話があったり。だから平成生まれの人たちにも昭和へのノスタルジーが少しだけあるのでしょう」
 

青森県青森市「ニコニコ通り商店街」。訪れれば昭和レトロの連続に大興奮必至!(撮影/山本有)

 ただ、若い世代にとってのレトロブームにおいて、ノスタルジーはあくまでも「少しだけ」だとも指摘する。

「『懐かしい』感覚を明確に覚えるのは、自分たちの幼少期にリアルにあったプリキュアやニンテンドーDSのソフトなどに対して。昭和のものなど生まれる前のものに対しては懐かしさが隠し味で入ってはいるけど、基本的には『新しい価値として向き合っている』感じがします」
 

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