重量ベースと生産額ベースという自給率

 農水省の食料自給率についてはカロリーベース以外にも、重量ベースと生産額ベースがある。3種類もの食料自給率を同時に作成している国は日本だけであるが、一応これについてもふれておこう。

(1)重量ベース食料自給率

 長い間、少なくとも日本政府や中国の情報筋は重量ベース食料自給率を作成し続けている。中国の場合、「糧食自給率」などの表現以外の食料自給率は公表していない。作成すらしていない可能性がある。また、公式的に発表された食料自給率は存在しない。

 農水省は2021年度の飼料を含む穀物全体の重量ベース自給率を29%、牛肉や豚肉を肉類として合算した自給率を53%と公表している。肉類については、このほか牛肉、豚肉など個別の重量ベース自給率も掲げている。

 穀物を1つに合算した自給率を試算する場合、食料としての用途も栄養成分も異なるコメとトウモロコシを合算することにほとんど意味がないだろう。

 ただし、ある食料単独の、たとえば「コメ」や「豚肉」などと個別の自給率を出すことにおいては意味がある。この場合には、コメの食料自給率60%、豚肉35%というように。もちろん、豚肉は飼料を1次原料とする2次製品という性格を持つから、飼料の自給率を厳密に把握した上でなければならない。

暮らしとモノ班 for promotion
「一粒万倍日」と「天赦日」が重なる最強開運日にお財布を新調しよう!収納力重視派にオススメの長財布46選
次のページ
生産額ベース食料自給率とは何か