岸田政権が防衛費をGDP比の2%、5年間で43兆円に倍増することを決めた。財源確保に向けた防衛増税の背景には、安倍政権時代に米国製兵器の爆買いがあるという。その流れは岸田政権に引き継がれ、兵器ローンが重くのしかかる。小塚かおる氏の新著『安倍晋三 VS. 日刊ゲンダイ 「強権政治」との10年戦争』(朝日新書)から一部を抜粋、再編集して紹介する。(肩書は原則として当時のもの)
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安倍政権時代の実質的な外務大臣は安倍晋三氏だった。
「地球儀俯瞰外交」や「自由で開かれたインド太平洋」などの新たなスローガンを掲げ、日米同盟を強固にしたのは間違いないだろう。
中でもトランプ米大統領とは、安倍氏本人も『安倍晋三 回顧録』で明かしているように、1時間や1時間半も「ゴルフ談議」の長電話をするほど親しかった。ワシントンの常識が通用しないトランプ氏は、だからこそ一部に熱狂的な人気があるのだが、そんなトランプ氏と会話が噛み合う政治家は少数派だ。安倍氏は2020年夏に首相を退陣した後、体調が改善したあたりから、近しい周辺に「24年の米大統領選挙でトランプ再選なら、私しか総理はできない」と、3度目の政権への意欲を見せていたという。