グローバルホーク(写真:アフロ)

 代表例が悪名高き無人偵察機「グローバルホーク」である。3機の購入を決めたのはオバマ政権の時代の2014年だが、半田氏によれば、グローバルホークは陸上偵察用なので、島国の日本には無用の長物と言っていい。明らかな“政治案件”で、陸海空の自衛隊のどこも欲しがらず、現場のない内部部局が仕方なく手を挙げた。契約当初の価格から何度も値上げされたうえ、使い道もないのでキャンセルすることも検討されたが、政治案件なので決断できず。当時の防衛相は「安倍さんが約束しちゃったから」と漏らしていたという。

 その後、グローバルホークは航空自衛隊の三沢基地に配備されることになり、「偵察航空隊」という新部隊が発足してはいる。しかし、実際の運用や整備は米国の技術者が担うため、彼らの生活費も日本側が払うのだという。その額40人で年間30億円。1人当たり年間7500万円というとんでもない高額だ。

 23年3月1日の参院予算委員会で行われた辻元清美参院議員(立憲民主党)の質問での、防衛省とのやり取りにも驚かされた。

「グローバルホークを9年前に契約した。3機で613億円、維持費はその5倍の2951億円。9年経ってもまだ1機納入されていない。その間に米空軍は2年前、日本が買う機種は旧式で中国の脅威に対応できないとして、保有する20機すべてを退役させるとしたのは事実か」

 この質問に、防衛省は「承知している」と答え、事実だと認めた。

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