つまり、こういうことだ。米空軍が「使い物にならない」として「退役」を決めた型落ちの無人偵察機を、日本は多額の税金を投じて購入契約したうえ、まだ「未納の機体」もある。そして、未納分を含めた維持費はすでに3000億円近い。これでは税金がいくらあっても足りるはずがない。
故障が多いなどの問題が指摘されている最新鋭ステルス戦闘機F35についても、当初の導入計画は42機だったが、安倍首相がトランプ大統領に追加調達を約束し、合計147機の配備計画となっている。機体購入費と維持費で6兆円超かかる見通しだ。
これについては、トランプ大統領が19年の訪日時の記者会見で、「米国の同盟国の中で日本が最大のF35保有国となる」と明かし、安倍氏を“称賛”している。買い手のいない戦闘機を大量購入してくれるのだから“日本は上客”ということなのだろう。
防衛費倍増で手形を決済する岸田首相
岸田文雄政権が防衛費をGDP比の2%、5年間で43兆円に倍増することを決めたが、その裏には、安倍政権時代に出来上がった米国からの兵器爆買いの流れと膨れ上がったFMSの兵器ローンという“負の遺産”が横たわる。