ことに高校生や大学生では、外発的報酬を求め続けることで、タバコや酒、ドラッグなどに依存してしまうリスクが高まるので要注意です。
やっかいな現代の「やる気」事情
外発的動機づけがやっかいなのは、短期的には内発的な動機づけをしのぐくらい効果的だということにあります。
お小遣いや褒め言葉、その逆の罰や叱りつけなどは、どれも外発的な動機づけになりますが、その場で子どもに言い聞かせるためにはとても便利で、必要な時も多々あります。
給料や地位、肩書というのも、もちろん外発的な動機づけ。仕事を頑張ることで得られる昇進を求めれば、誰しもやる気が一気に上がるかもしれません。それで成功すれば、それはそれで素晴らしい。
つまり、その場でのやる気を引き出そうと思ったら、外発的動機づけが実に有効なのです。だからこそ、誰もが知らず知らずのうちに外発的動機づけを求めてしまう。昇進や昇給を目指して、すごくやる気に満ち満ちている活発的な人たちも世の中には数多く見られます。
そう考えれば、外発的動機づけは何も悪くはないように思えますが、問題なのは短期的な促進効果ではなく、長期的な悪影響です。先述の通り、「好きでやる(内発的動機づけ)」ことも、いつしか「成果のためにやる(外発的動機づけ)」ことになり、何もかも“結果次第”になってしまう。それほどストレスフルな人生はありません。